茶碗(抹茶碗)の作り手は長生きしないといけない?

茶碗(抹茶碗)の作り手の人で、その人が30歳代の若いころに作った茶碗と70歳代のころに作った茶碗では、明らかに70歳代のときに作ったほうが味が出ていい茶碗になっていると思うことが多いです。

いい抹茶碗を作ろうと思ったら長生きすることが条件の一つのようです。

原料の土も窯の火も、同じものが全くない状況であるとある程度は人から伝承を受けたとしても作り手のご本人がたくさんの経験を積んで、あのときはああだったから、このときはこうだな、このような茶碗にしあがるなと経験からくる勘が必要になってくるのではないでしょうか。

経験をたくさん積まないといい抹茶碗は作れない、長生きすることがいい抹茶碗を作ることの条件になっているのだと思います。

特に家を子供に譲って当代を引退された後の人は、家業や生業からの圧から解放された心の状態で作るからか、その人が作った抹茶碗を手に取ってみると、おおらかな気持ちになり癒されることが多いです。おじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びにいった孫の気持ちに戻れます。