日本で抹茶用の茶碗が作られて400年の歴史があると言われていますが、代々、抹茶碗を作る家、陶磁器を作る家が存在します。
その中でも、○○の家の○○代目は名工と言われて今でも高値で取引されています。
しかし名工と言われた人でも、その子供は名工と言われないことも多いのです。その家の子供に生まれれば教えがあってもなくても、その環境で育つのに名工にはなる極稀な人と名工になれない人がいるということは、その人の手先の器用さや人柄が大きく影響してくるのだと思います。
名経営者であっても、その子供は名経営者になれるとは必ずしも言えない。それと同じことが陶工の家にも当てはまるのだと思います。
茶碗を使っていると、なぜか、とても心が落ち着く茶碗がいくつかあります。その歴史を調べてみるとそれを作った人は長寿で優雅な晩年を送った人が多いです。茶碗は一人の人が一人で作るものが多いので、その人の人柄がとても出るのだと思います。
一人一人の個性がとても感じやすいのが茶碗の作り手で、親子でも同一人物ではないのでそれぞれの雰囲気が違った茶碗がでてくるところも、多種多様さがある茶碗の魅力だと思います。